開催趣旨
50年ほど前にローマクラブ報告において警告された地球温暖化による気候変動は、いまや現実のものとなり、世界各地において、巨大な台風や、異常高温、干ばつ、洪水、さらには火災といった、かつてない規模のあらゆる災害を引き起こし、人間を含む多くの命が奪われています。
過去50年の間、この温暖化に対して地域と、そして国境を越えて様々な会議が開催され、対策が考えられ、そして実際に実行されてきましたが、残念ながら、気候変動は日常の生活の中でも実際に感じられ、観察されるようになり、それに歩調を合わせて、予測不能とも言える自然災害は、私たちの未来に大きな影を落としています。
このシンポジウムが目指すのは、回答を提示することではありません。地球温暖化の要因とそれらによって気候変動が生じるメカニズム、さらには自然災害との関係性について理解を深めること。そして、その災害を予防し、あるいはその被害を最小限に抑える方法や、最先端の見識を提示すると同時に、私たちがなぜこのような重大で致命的な問題をないがしろにしたままでいるのかについて討議を行うことで、参加者一人一人が行動を前提とした自らの回答を出すための方向性を示すことにあります。